りそな銀行の場合

りそな銀行の場合

りそな銀行成瀬支店(東京都町田市)渉外課の早竹さんは、FP資格を「私の武器」と言い切っています。


子育てを終え、パート社員として働き出してから勤務歴は十一年です。
フルタイムのパート社員時代の二〇〇〇四年上半期には、投資信託の販売実績で全国二位の実績を残しました。

二〇〇五年二月には社内試験に合格して正社員となり、社内報でも紹介され、今ではりそなの女性社員が目標にする一人と、支店長からも信頼されています。


成瀬支店に配属された証券会社OBの男性がAFP資格を持っているのを知り、関心を持ったのがきっかけで、自力で専門学校に通い、約四ヶ月でAFP資格を取得したのはパート社員のときです。

CFP資格取得には通信教育を活用し、平日は勤務後の自宅で、家事の最中に繰り返しカセットテープを聞いたそうです。

週末も土日とも1日最低六時間は勉強にあてました。


「損益通産の仕組みを教えてくれてありがとう」

町田市在住の男性の資産運用相談でも知識が役立ち、株式投資で含み損を抱えるこの男性から、含み益のある株式投信の換金を相談された際、同じ換金方法でも通常の「解約」ではなく、「買取」という方法を使うことで「配当所得」から「譲渡所得」に区分が変わることを説明しました。


株式投資信託の利益で株式の損失を相殺できることを教えたのです。


確定申告することで納税額を減らせ、新たな投資信託の買い注文にもつながりました。

早竹さんは最近でも、一ヶ月に二億円近くの投資信託を販売しています。

野村證券の場合

野村證券の場合

野村證券新百合ヶ丘支店(神奈川県川崎市)の窓口を訪れた顧客に資産運用をアドバイスする佐藤さんは、同支店の地域型社員で唯一CFP資格を持っています。

AFPは野村證券の男性営業職員ならほぼ全員が持っていますが、上級資格のCFPとなると非常に珍しい存在ということです。


FP資格取得のきっかけはアジア金融危機だったそうで、株価下落が株や投資信託に投資していたお客さんの資産を直撃し、「迷惑をかけたと思い、新しい営業スタイルを確立しようとした結果、FP資格取得をしようと思った」といいます。

AFP取得からCFP取得まで二年間、毎週末セミナーに参加して勉強しました。


比較的高齢な富裕層が多い新百合ヶ丘支店には、自然と相続関連の相談が多くなります。

夫が亡くなり、一億五千万円の相続が発生した夫人がある日訪れました。
証券会社に来るのは初めてだったが、息子さんが三人おり、相続と安全な運用を両立できないかと相談され、佐藤さんは息子さんを受取人とする年金保険の活用を提案しました。


結果的に、地域型社員としては滅多に無い大型契約に結びついたのです。


証券仲介業や銀行代理店の解禁で、ひとりの営業担当者が扱う金融商品は増える一方です。

「保険から税まで幅広い知識がないと対応できない相談が増えており、CFP資格が生きている」という実感があると佐藤さんは話しています。


顧客の安心感にもつながり、「後日、その御夫人の個人資産四千万円も預けていただき、投資信託などで運用するようになった」そうです。

ファイナンシャルプランナー(FP資格)

ファイナンシャルプランナー(FP資格)

FPは個人の収支や財産、負債などを分析し、人生設計に合わせた資産運用を提案する人です。

FP資格は大きく二つに分類でき、国家資格で厚生労働省が認定する「FP技能士」とNPO法人の日本ファイナンシャルプランナーズ協会(日本FP協会)が認定する「AFP(普通資格)」「CFP(上級資格)」です。


FP技能士は日本FP協会と社団法人・金融財政事業研究会の二団体が試験の実施団体となっています。

大まかな両資格の違いは、資格更新が必要かどうかです。
AFPやCFPは二年ごとに日本FP協会のセミナーなどに参加して更新手続きが必要になります。


AFPやCFPの試験の出題範囲は

  「ライフプランニングと資金計画」
  「リスク管理」
  「金融資産運用」
  「タックスプランニング」
  「不動産」
  「相続・事業承継」

と幅広く、学科試験と実技試験があります。


現在、AFPは約十二万人、CFPは約一万三千人います。
FP技能士にいたっては、約三十二万人にも。


AFPやCFPの資格取得者のおよそ七割は金融機関の関係者という構成になっています。

FP資格取得は郵政公社も奨励

FP資格取得は郵政公社も奨励

民営化されることになっている現日本郵政公社でも、FP資格取得を促すための制度を始めました。


社会的に知名度が高く、より実践的な資格だと判断されてのことです。
まず二級FP技能士試験の通信教育に補助制度を設けました。

従来でもFA(ファイナンシャルアドバイザー)と呼ばれる社内資格があり、現在の保有者は九万人です。


FA(ファイナンシャルアドバイザー)資格はFP資格と似た内容ですが、不動産や法人制度までカバーしていません。


多種多様な金融サービスの相談にのれるよう、FP資格に切り替えを促しています。

簡易保険事業の本部でもFP資格取得支援を始めました。

LC(ライフコンサルタント)という社内資格を七万人が持ち、FP資格への切り替えを勧めています。

第一生命のFP営業部

第一生命のFP営業部

「GNP(義理・人情・プレゼント)だけでは契約は取れない」


生命保険会社でもFP資格取得を重視するところが増えています。

例えば第一生命では、2003年4月に金融・税務などの知識を備えた総合職を集めた「FP営業部」を設置しています。


ほぼ全員が二級FP技能士資格を持っています。



30人でスタートし、現在では百二十人まで増えています。
首都圏の裕福な高齢者や中小企業のオーナーに会い、一人ひとりの資産運用希望に沿った商品を紹介しています。

大和證券はFP資格取得が昇進のカギ

大和證券はFP資格取得が昇進のカギ

大和証券は資産運用にかかわる資格の取得をポイント化し、一定のポイント取得を昇級・昇格の必要条件にしています。

日興コーディアルの昇格条件

日興コーディアル証券は営業担当者のAFP取得を昇格条件の一つにしています。


AFP資格取得のための費用を会社が一部負担し、FP資格取得試験直前には無料で対策セミナーも開いています。

野村證券のFP資格取得実態

野村證券のFP資格取得実態

野村證券は現在約四千五百人いるAFP(普通資格)・CFP(上級資格)保有者を、できるだけ早く七千人に増やす計画です。



りそなホールディングスのFP資格取得奨励

りそなホールディングスのFP資格取得奨励

「支店長は町医者になる必要がある」

りそなホールディングス会長の口癖だそうです。



りそなグループでは支店長クラスに二級FP技能士以上の資格取得を奨励しています。

中堅・中小企業やリテールが重点分野だけに、りそなホールディングスの会長は「知識として最低限必要」とのことです。

銀行・証券はFP支援活発

銀行・証券はFP支援活発

「新人は思うように営業数字が上がらず、煮詰まりがち。そういうときこそFP資格取得試験勉強は効果がある」


三菱UFJ信託銀行リテール企画推進部総務・研修グループは強調しています。

FP資格取得試験勉強を通じてプロ意識を植え付けることで、やる気を引き出す効果もあるということです。



ライフプラン、相続、不動産・・・。

「FP資格試験で勉強した内容はどれも無駄なく信託銀行の業務に結びつく」と信託銀行研修担当者は口をそろえています。



三菱UFJ信託銀行では多くが四十代女性という契約社員にも、FP二級技能士の資格取得を義務付けています。



FP資格取得は営業の要

FP資格取得は営業の要

銀行・証券など金融機関が従業員の「FP(ファイナンシャルプランナー)資格」取得に力を入れ始めています。


リテール(個人取引)分野の営業に役立てるのが狙いで、FP資格取得支援のためにFP資格取得社内研修などの取り組みも活発になっています。


FP資格取得が、これから金融機関に就職や転職を考えている人にとっては、入社後にどう影響するのか気になるところでしょう。

実際に社内の人材育成や営業活動にどのように生かそうとしているのでしょうか。